みなさんこれら用語を聞いたことはあっても、実際どう違うのか、それぞれの用語が何を指しているのかなどの理解に自信がない人も多いのではないでしょうか。中には勘違いして混ざって覚えてしまっている人もいるかと思います。これを機会に改めて整理して一気に理解してしまいましょう。地理の授業やテスト対策にもぜひお役立てください。
砂嘴(さし)
砂嘴とは、砂の嘴(くちばし)という字を書くことからもわかるように、体積した土砂が鳥の嘴のように海に突き出たような地形のことを言います。土砂の大半は、風や川、波の作用で体積したものあり、時間をかけてこのような形となります。
【砂嘴の国内代表例】
・北海道 野付半島
・千葉県 富津岬
・静岡県 御浜岬
・静岡県 三保の松原
砂州(さす)
砂州は、湾口に形成された砂嘴がさらに発達したことで対岸まで達したものを指します。対岸まで達することで、海から分離された湖が出現することとなりますが、これのことをラグーンと呼びます。ラグーン内では、波が穏やかという特徴を生かした養殖が行われているケースが多く見られます。
なお、砂州も砂嘴も原理は同じであるため、砂州=砂嘴の発達版 という解釈で概ね間違いないかと思います。
【砂嘴の国内代表例】
・京都府 天橋立
・鳥取県 弓ヶ浜
・山口県 波の橋立(青海島)
陸継砂州
陸継砂州は、砂嘴が成長した結果として対岸の島に繋がるパターンのことであり、砂州の派生系です。カタカナでトンボロと呼ばれることも多いですが陸継砂州と全く同じ意味です。またその繋がった島のことを陸継島と呼びます。
この陸継砂州は潮の満ち引きにより、満潮時には対岸へ渡れなくなるような例もあり、その珍しさから観光地化する例もたくさんあります。陸継砂州の部分はほとんど高低差が無いことがほとんどで、函館のような大型の陸継砂州になると、その平地を生かした街づくりが発展します。
【砂嘴の国内代表例】
・北海道 函館
・秋田県 男鹿半島
・神奈川県 江ノ島
・和歌山県 串本
・香川県 エンジェルロード