今回は、九州に点在する世界遺産をご紹介します。手付かずの大自然、近代日本を支えた炭鉱、そして信仰が息づく島々…九州の魅力がギュッと詰まった、文化と自然の贅沢旅です。
屋久島(鹿児島県)
屋久島は鹿児島県大隅半島の南60kmの海上に位置し、住所は鹿児島県熊毛郡屋久島町になります。
屋久島の西側12kmの海上にある口永良部島とともに屋久島国立公園に登録されています。また、1993年(平成5年)に白神山地とともに日本初の世界自然遺産に登録されました。屋久島には九州最高峰の宮之浦岳(標高1936m)があるほか、樹齢千年を超える杉などの巨木の天然林が広がっています。
縄文杉

現在屋久島で確認されている屋久杉の中でも最も大きいのが縄文杉です。樹齢は2170年~7200年と推定されています。高さが25.3m、太さが16.4mとなっています。
縄文杉トレッキングではペースに個人差はあるものの往復約10時間、トータル約22kmの道のりを歩きます。前半はひたすらトロッコ道を歩き、後半は登山道となります。簡単には見られないからこそ、目の前に現れた時の感慨もひとしおです。
白谷雲水峡

白谷雲水峡の散策路は、目的や体力に応じて選べるトレッキングコースが充実しています。「苔むす森」では、もののけ姫の世界観が広がります。太古の森に包まれる神秘の島に、ぜひ訪れてみてください!
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奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県・沖縄県)
2021年に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」という形で世界自然遺産に登録されました。
奄美大島

沖縄本島、佐渡島についで大きな面積を誇る奄美大島では、マングローブ林をはじめとした自然が残っているほか、奄美大島独自の生態系を有しており固有種が多く生息している貴重な島となっています。また奄美大島の透明度の高い海はサーフィンのメッカとしての人気も高く、シーズンになると多くのサーファーが訪れます。
ナイトツアーなどに参加すると、専門ガイドの方から解説を受けながら奄美大島の固有種をじっくり眺めることができおすすめです。時間があれば船で加計呂麻島などに渡ってみるのもいいかもしれません。
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西表島

西表島は原生的な亜熱帯の森と豊かな生態系を体感できる、世界的にも貴重な自然遺産です。今も手つかずの亜熱帯雨林が広がり、島面積の約90%が森林やマングローブになっています。
観光船で気軽にマングローブを見ることもできますが、カヌーやガイド付きツアーに参加することで、島のさらに奥の渓流や滝(ピナイサーラの滝など)を見ることもできます。6月末のサガリバナツアーも幻想的でおすすめです。
絶滅危惧種にも指定されているイリオモテヤマネコが生息し、生物多様性保全の重要地域となっています。
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長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県・熊本県)
﨑津集落

江戸時代に禁教令が発せられると、信徒への迫害が強まるようになりますが、天草地方では多くの潜伏キリシタンが信仰を続けました。そのため、天草はキリシタン関連の歴史的遺構も多く、禁教期の信仰形態を知ることのできる貴重な資産として「天草の﨑津集落」は2018年に世界文化遺産に登録されました。
﨑津は漁村であり、アワビの貝殻内側の模様を聖母マリアに見立てて崇敬する漁村独特の信仰がありました。
天草は自然も美しく、夕日の眺めが良いところもたくさんあります。歴史も自然も堪能できる場所で、観光におすすめです!

明治日本の産業革命遺産(鹿児島・長崎・熊本・福岡・佐賀)
端島炭坑(軍艦島)

長崎の海上に浮かぶ端島(はしま)は、かつて炭鉱で栄えたコンクリート住宅が連なり、海上から見ると軍艦土佐に似ていることから、通称「軍艦島」と呼ばれています。
高度成長期には約5,000人が暮らし、島内に病院や小中学校、公衆浴場や映画館までありました。軍艦島は三菱傘下ということもあり、1950年代の第一次家電ブーム時には、既に100%の電化生活に切り替わっていたと言います。
1974年に閉山・無人化したものの、2009年に観光上陸が再開され、2015年には世界文化遺産に登録されました。日本国内最古の鉄筋コンクリート(RC)造のアパート「30号棟」は、現在も残っています。そのほかにも当時の様子を伝える建物がありますが、島民が島を離れてから50年以上が経過するため、少しずつ建物の崩壊が進んでいます。
現在、観光クルーズ船に乗船することで訪れることができますが、天候によっては上陸できないこともあるので注意が必要です。

三池炭鉱

2015年に「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つとして世界遺産に登録されました。写真は三池炭鉱の万田坑で、地底と地上をつなぐ坑口があり、機械室の中を見学することもできます。
三角西港

明治期に築かれた港湾都市で、石炭を海外に輸出する拠点となりました。港湾のつくりはオランダ人技師ムルドル氏の設計で、石積みの埠頭や水路、橋などが整然と配置され、今もその姿をとどめています。
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県)
福岡県宗像市の沖合約60kmに浮かぶ神聖な島で、「神宿る島」とも呼ばれ、2017年に世界文化遺産に登録されました。出土品8万点が国宝に指定されていることから、海の正倉院とも呼ばれる神秘の島です。ただし、島への上陸は原則禁止されています。
大島
沖ノ島には行けませんが、連携する観光地として大島にはフェリーで約25分で行くことができます。大島には、宗像大社中津宮や、上陸できない沖ノ島を拝むために設けられた沖津宮遙拝所があります。

このほかに、本土の宗像大社辺津宮、新原・奴山古墳群が構成資産に含まれます。
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