奈良時代以降、政治や文化の中心地として栄えた奈良県には、古くから多くの人が行き交っていました。そんな奈良県には、歴史ある街道や宿場町も現存しているところがあります。古代の記憶が眠るとも称される奈良県の、代表的な伝統町並を見ていきましょう。
今井町
橿原神宮に程近い今井町は、戦国時代から江戸時代にかけて発展した寺内町です。今もその町並が当時の様子から大きくは変わらず残っているため、タイムスリップしたかのような感覚にもなります。その繁栄ぶりは、 かつて「大和の金は今井に七分」といわれるほどのもので、日本有数の寺内町であることを窺い知ることができます。
宇陀(松山地区)
中世以降、宇陀は、大阪と伊勢を結ぶ交通の要所としての役割も果たし、宇陀松山城の城下町として繁栄を遂げていきました。周りを山に囲われた辺境の地でありながらも、独特の発展が進み、今も生活の場としてその景観が保たれています。秋頃になると、路地に地域名物のダリアが敷き詰められ、鮮やかな彩りを見ることができます。
五條新町
五條新町は、紀州街道の一部であったことから、商人の町また宿場町として発展した場所です。幾度かの大火見舞われる中で、特徴的な町並みが形作られました。石積みや格子の美しさが特徴的であり、マイナーながらも人気のある町並みです。
※いずれの町並も、住民の方々が実際に生活を営んでいる場所です。マナーや節度を守った散策を励行しましょう。