世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に指定されている熊野古道とその関連施設は、外国人を含め、多くの観光客が訪れる場所となっています。一方熊野古道は、神仏習合を象徴する代表地としても価値があり、この記事ではその三社(熊野三山)を順に紹介していきます。
熊野本宮大社
熊野川のほとりに位置する熊野本宮大社は、熊野神社の総本山であり、古くから熊野信仰の中枢としての役割を担ってきました。大斎原にどっしりと構える大鳥居は、日本一の大きさの鳥居であることでも知られています。大斎原から杉並木の石段を上がったところに社殿があります。幾度も大洪水に見舞われながらも、現在にもその信仰は受け継がれています。
熊野速玉大社
熊野本宮大社から南に40kmほど熊野川を下ったところに熊野速玉大社があります。熊野川の河口に程近い太平洋沿いの場所です。鮮やかな朱色の社殿が特徴的で、熊野川を背にするように構えられています。社殿のすぐ近くには、巨岩を御神体とする神倉神社があり、セットで訪れるのがおすすめです。
熊野那智大社
那智山の中腹に鎮座する熊野那智大社は、日本一の滝とも言われる、那智の滝を眺められる小高い場所に立っています。社殿のすぐ隣には青岸渡寺の本堂や三重塔が並んでおり、神仏習合の名残を感じられる貴重な場所です。有名な大門坂を上がった先に、滝や青岸渡寺、熊野那智大社が並んでおり、境内は広大で壮麗です。