長崎県壱岐島は、九州と対馬の間にある離島で、博多港から高速船で約1時間で行くことができます。ここでは壱岐の観光に外せない人気観光スポットを厳選して紹介します。壱岐は離島ならではの絶景はもちろん、古代から朝鮮半島との交易の拠点になっていたこともあり、歴史を感じることのできる場所もたくさん存在します。国境の島として日本遺産にも登録されています。ぜひ壱岐観光の参考にしてください!
自然を満喫する絶景スポット
猿岩
そっぽを向いた猿にそっくりな巨石で、島内随一の人気スポットです。高さ45mの玄武岩で、波の侵食によってこの形になりました。写真は駐車場から撮影したものですが、猿岩の近くまで歩いて行くこともできます。断崖絶壁となっているので足元には十分お気をつけください。
猿岩のほど近くに、黒崎砲台跡があります。駐車場に隣接するお土産屋さんの横の坂を登っていくと、砲台跡を上から見下ろすことができます。この砲台は、1933年に対馬海峡を通過する敵船を撃つために設置されたものと言われています。
第一次世界大戦の後、ワシントン海軍軍縮条約により当時建造中だった戦艦は廃艦となりました。戦艦土佐はそのうちの一つで、この要塞には戦艦土佐の40cm主砲が取り付けられ、砲台の大きさは東洋一と言われました。実際に使用されることはなく、現在は戦争遺跡として見学することができます。
鬼の足跡
壱岐島には鬼にまつわる伝説が数多く残されています。牧崎公園にある周囲110mにもなる大穴は、大昔に大鬼のデイが鯨をすくい捕るために踏ん張ってできたことから、「鬼の足跡」と呼ばれています。猿岩と並んで壱岐の人気スポットなのでぜひ訪れてみてください。ちなみに大鬼のもう片方の足跡は、辰の島の蛇ヶ谷にある足跡と言われています。
牧崎公園は壱岐島の西側に位置しているため、海の向こうに沈む夕日を見ることもできます。
辰の島
辰の島は壱岐島の北部にある離島で、遊覧船で訪れることができます。遊覧船のパターンは3つあり、①辰の島上陸のみ、②島巡り遊覧のみ、③島巡り遊覧+辰の島上陸から選ぶことができます。遊覧は40分程度で、美しいエメラルドグリーンの海の上を小型船で遊覧し、辰の島周辺の奇岩や断崖を間近で見ることができます。辰の島に上陸すると辰の島海岸や蛇ヶ谷を上から見下ろすことができます。時間がない方は船からでも十分楽しめますので、島巡り遊覧をおすすめします。時刻表や料金を事前に確認しておくとスムーズです。
遊覧船は勝本港から出ていて、港には名物の生ウニ丼を出しているお店もありますので、ここで昼食を取るのもおすすめです。周辺の観光スポットとして、勝本城跡やイルカパークがあります。
左京鼻
壱岐島の東側に位置する八幡半島のほぼ先端にある絶景スポットです。海上には柱状節理の岩礁、観音柱があります。神様が流されてしまわないように立てたと言われる八本の柱の一つです。
左京鼻の先端に龍神神社があり、赤い鳥居と青い海のコントラストが美しい写真スポットでもあります。芦辺港から車で15分ほどです。
大浜海水浴場
壱岐を代表するビーチで、夏は多くの人が海水浴に訪れる遠浅の海岸です。壱岐空港の目の前にありますが、都会の喧騒とは無縁のどかな場所で、波の音を聞きながら砂浜でのんびりすることができます。潮の満ち引きで景色が変わり、タイミングによっては砂浜に波でできた模様が浮かび上がる光景が見られるかもしれません。
筒城浜海水浴場
筒城浜は、白い砂浜が約600m続き、海岸沿いには松の木が生い茂る、まさに白砂青松の絶景です。
「日本の渚100選」にも認定されており、海の透明度も高く、海水浴にもおすすめな場所です。10月下旬〜2月末くらいまでは、水平線から昇る朝日を見ることが出来ます。壱岐空港から車で約3分の場所にあります。
歴史と文化を学ぶスポット
壱岐市立一支国博物館
貴重な出土品やビューシアターで当時の暮らしを知ることができます。展示室の大型のジオラマ模型は160体の小さな人形を用いて当時の生活が再現されており、子供から大人まで楽しく学ぶことができます。
博物館は高台にあり、眼下に原の辻遺跡を一望することができますが、これも遺跡を一つの展示物とするこの博物館の特徴でもあります。原の辻遺跡と合わせて訪れるとより理解が深まることでしょう。
原の辻遺跡
原の辻遺跡は弥生時代の大規模環濠集落で、佐賀県の吉野ヶ里遺跡や静岡県の登呂遺跡と並び、国指定特別史跡に指定されています。公園内には復元された建物が立ち並び、当時の暮らしに思いを馳せることができます。見学は無料です。
3世紀の中国の『三国志』の『魏書』東夷伝倭人の条(いわゆる魏志倭人伝)にも「一大国」の国名で、壱岐国が登場します。原の辻遺跡はその中心地であったと考えられています。ちなみに「一大国」は、「一支国」の誤りです。
保水灌漑用や、外敵の侵入を防ぐために周囲に濠を巡らせた集落で、弥生時代の代表的な集落の形態。
壱岐古墳群
壱岐古墳群は当時としては日本有数の墳丘・石室の規模を誇ります。長崎県内で見つかっている古墳の6割が壱岐島内にあり、古墳からの出土品には大陸から来たものも多く確認されており、朝鮮半島との交流が活発であったことを示しています。写真は国指定史跡「掛木古墳」で、石室の中に入ることができます。この他にも壱岐島内にある古墳では、鬼の窟古墳、対馬塚古墳、双六古墳、笹塚古墳、兵瀬古墳が国史跡に指定されています。
小島神社
内海湾に浮かぶ小島神社は、小枝1本も島の外に持ち出してはならないという慣習があるほど神聖な場所です。島に渡って反対側に回ると神社の入り口があります。潮が満ちてくると島までの参道が海の中に沈んでしまうため、参拝できる時間は1日2回の干潮時のみとなっています。事前に干潮時刻を調べから行くのがおすすめです。
月讀神社
全国の月讀神社の総本社とされ、壱岐島のほぼ中心にあります。京都の松尾大社内にある月讀神社は壱岐から分霊したものです。急な階段を登ったところに拝殿があり、木に囲まれ幻想的な雰囲気があります。
周辺にはへそ石や壱岐国分寺跡、鬼の窟古墳があります。
男嶽神社
壱岐島の北東部にある神社で、男岳山頂に鎮座します。壱岐島が生まれたときの最初の神様である「天比登都柱」(アメノヒトツバシラ)や「月読命」(ツクヨミノミコト)が降臨した地であるとされています。男嶽神社にはその導きの神様とされる「猿田彦命(サルタヒコノミコト)」が祀られており、敷地内には200体を超える石猿が並んでいます。
勝本城跡
朝鮮出兵に際し、肥前名護屋城から朝鮮への足掛かりとなる壱岐島に作られたのが勝本城です。豊臣秀吉の命を受け、わずか4ヶ月余りで築かれました。1600年代初頭に、徳川幕府は朝鮮との国交を回復し、和平の意思表示として秀吉の壱岐・対馬の城を廃城にさせたのに伴い、勝本城も破城となりました。
写真は大手門跡に残る石垣で、大部分は公園として整備されています。狭い急坂を車で登っていくと数台車を止めるスペースがあります。
はらほげ地蔵
お地蔵さんのお腹の部分に丸い穴があるため、はらほげ地蔵と呼ばれています。干潮時は全体が現れますが、満潮時には胸まで海水に浸かります。遭難した海女の冥福を祈るため、あるいは捕獲した鯨を供養するために祀られたと伝わります。
松永安左エ門記念館
壱岐島出身で「日本の電力王」、「電力の鬼」などと称された松永安左エ門(やすざえもん)の生誕の地です。現在は資料館として保存されており、貴重な遺品や資料からその生涯と功績を知ることができます。
1909年、当時35歳の松永安左エ門らは福博電気軌道を設立し、福岡市内に最初に路面電車を走らせました。時代の流れとともに福岡市の市電は昭和54年をもって姿を消してしまいましたが、その功績を讃え、記念館の中庭には廃止時に西鉄から寄贈された車両が展示されています。
まとめ
壱岐には麦焼酎や生ウニ、壱岐牛など、美味しいものがたくさんあるのも魅力の一つです。また、アジがよくとれる釣りスポットもあったりと、様々な楽しみ方があります。ぜひ壱岐に行ってのんびりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。