紅葉シーズンといえば11月のイメージが強いかもしれませんが、標高の高い山岳エリアや東北・北海道などの北国では、10月中に鮮やかな紅葉のピークを迎えるスポットが数多くあります。人混みが比較的少なく、澄んだ秋の空気の中でゆったりと紅葉を楽しめるのが10月観賞の醍醐味。今回は、10月中に見頃を迎える全国の紅葉名所を15か所厳選してご紹介します。北から南へ順にまとめましたので、旅行計画の参考にしてみてください。なお、紅葉の見頃はその年の気温・天候によって1〜2週間前後することがあるため、現地観光協会やライブカメラの情報もあわせてご確認いただくことをおすすめします。
大雪山(北海道)

北海道・大雪山は、日本で最も早く紅葉が始まる場所として知られています。例年の見頃は9月中旬〜10月上旬ごろ。標高2,000m超の旭岳周辺では9月中旬から色づき始め、ロープウェイで上がった姿見の池周辺では、ナナカマドやウラシマツツジの深紅と黄金色のダケカンバが織りなす景色が広がります。紅葉前線が山麓へ下りてくる10月上旬まで、高度差を利用した「追いかけ紅葉」が楽しめるのも魅力です。近隣の層雲峡では10月上旬〜中旬ごろにも見頃を迎えるため、セットで訪れると一度の旅で2度おいしい秋旅になります。旭川空港からのアクセスも良好で、道内旅行の起点として計画しやすいエリアです。
八甲田山(青森県)

東北随一の紅葉スポットとして名高い八甲田山。例年の見頃は10月上旬〜10月中旬ごろです。ロープウェイで一気に標高1,300m付近まで上がると、山頂公園駅周辺に広がるブナやナナカマドの紅葉が眼下いっぱいに広がります。山麓の酸ケ湯温泉周辺も見どころのひとつで、湿原と紅葉のコントラストが美しい毛無岱(けなしたい)の木道散策は特に人気です。晴れた日には遠く津軽平野まで見渡せる大パノラマが楽しめます。青森市内からのアクセスも良く、弘前城の紅葉(10月下旬〜11月上旬)と日程をずらしてはしご旅するプランもおすすめです。
栗駒山(宮城県・岩手県・秋田県)

東北地方の中でも特に「紅葉の名所」として評価が高い栗駒山。例年の見頃は10月上旬〜10月中旬ごろで、「神の絨毯」とも称される壮大な紅葉景観で知られています。山頂付近から続く尾根一帯が赤・橙・黄のグラデーションに染まる様子は圧倒的で、いわかがみ平から山頂へ向かうルートでは高山植物帯の色づきも見事です。宮城県側の「いわかがみ平」、秋田県側の「須川温泉」どちらからもアクセスできますが、紅葉シーズンは非常に混雑するため、平日の早朝訪問がおすすめです。温泉と紅葉を一緒に楽しめる須川高原温泉も人気の立ち寄りスポットです。
尾瀬(群馬県・福島県・新潟県)

日本最大の高層湿原・尾瀬でも10月は紅葉の季節です。例年の見頃は10月上旬〜10月中旬ごろ。尾瀬ヶ原の湿原を取り囲む山々が黄金色・深紅に染まり、木道沿いを歩きながら360度の紅葉パノラマを満喫できます。特に燧ヶ岳や至仏山の山腹の紅葉は見事で、尾瀬沼周辺でも湖面への映り込みが美しい。10月に入ると訪問者が減り始め、静かな湿原の中でゆっくり紅葉を楽しめます。草紅葉(くさもみじ)と呼ばれる湿原植物の色づきも尾瀬ならではの見どころです。ただし10月中旬以降は朝晩の冷え込みが厳しく、防寒着は必須です。
日光(栃木県)

全国屈指の紅葉名所・日光は、エリアによって見頃が異なります。標高の高い中禅寺湖・戦場ヶ原エリアでは例年10月中旬〜10月下旬が見頃。中禅寺湖の湖畔に映り込む紅葉は息をのむ美しさで、イタリア大使館別荘記念公園からの眺めは特に人気です。戦場ヶ原では広大な湿原とその周囲の山肌の紅葉を一望でき、木道ハイキングが楽しめます。いろは坂の48のカーブに沿って続くカエデの紅葉トンネルも10月下旬ごろが見頃で、ドライブしながら楽しむ紅葉として定評があります。華厳の滝と紅葉の組み合わせも見逃せません。
草津白根山・志賀高原(群馬県・長野県)

標高2,000m前後の高原リゾートとして知られる草津白根山・志賀高原エリア。例年の紅葉の見頃は10月上旬〜10月中旬ごろです。志賀高原では渋峠(標高2,172m)周辺から始まり、木戸池・蓮池周辺へと紅葉前線が下りてきます。カラマツ・ダケカンバ・ナナカマドの鮮やかな色づきが高原の澄んだ空気の中で際立ちます。草津温泉からのアクセスも良く、名湯と紅葉を組み合わせた旅が人気。渋峠付近では天候が良ければ紅葉と雲海の共演も見られることがあります。長野県側の野沢温泉や山ノ内町と組み合わせた周遊ルートも充実しています。
上高地(長野県)

北アルプスの玄関口・上高地は、10月の紅葉が特に美しいスポットです。例年の見頃は10月中旬〜10月下旬ごろ。河童橋越しに見える穂高連峰を背景に、ケショウヤナギやカラマツが金色に輝く光景は、日本の秋景色の中でも別格の美しさです。大正池に映り込む紅葉と焼岳のリフレクションも絶景で、早朝の静けさの中で撮影するのが特におすすめ。上高地は通年マイカー規制のため、沢渡または平湯からシャトルバスやタクシーでのアクセスとなります。10月下旬には閉山(例年11月中旬ごろまで開山)前の最後の賑わいを見せ、毎年多くの登山者・観光客が訪れます。

立山・室堂(富山県)

北アルプス・立山の室堂平は、日本でも屈指の高山紅葉スポットです。例年の見頃は9月下旬〜10月上旬ごろ。標高2,450mの室堂平では、みくりが池や血の池と呼ばれる火山性湖を取り囲むように、チングルマやウラシマツツジが深紅・橙に染まります。立山黒部アルペンルートを利用することで、ケーブルカー・ロープウェイ・トロリーバスを乗り継ぎながら高低差3,000mの紅葉グラデーションを体験できる贅沢な旅が可能です。室堂ターミナル付近では雷鳥と紅葉の両方に出会えることもあり、ハイカーだけでなく観光客にも大人気。10月初旬には初冠雪と紅葉の共演が見られることもあります。
白川郷・飛騨高山(岐阜県)

世界遺産の合掌造り集落・白川郷と飛騨高山周辺の紅葉も10月が見頃です。例年の見頃は10月中旬〜10月下旬ごろ。白川郷の萩町集落では、合掌造りの茅葺き屋根を背景に、周囲の山々が赤や黄に染まる景色が広がります。城山展望台からの俯瞰撮影が特に人気で、朝霧が立ち込めるとさらに幻想的な雰囲気に。飛騨高山の古い町並みでも、白壁の商家と紅葉の組み合わせが趣深い。飛騨の里(飛騨民俗村)では合掌造りの建物と紅葉が一度に楽しめます。高山陣屋周辺や宮川朝市と合わせて散策すると、秋の飛騨を存分に楽しめます。
くじゅう連山(大分県)

九州屈指の紅葉スポットとして名高いくじゅう連山。例年の見頃は10月中旬〜10月下旬ごろで、特に大船山の紅葉は「九州一の紅葉」とも称されます。山頂付近の御池(おいけ)を囲むように広がるドウダンツツジやナナカマドの真紅の紅葉は絶景で、毎年多くの登山者が山頂を目指します。牧ノ戸峠からのルートでは登山初心者でも比較的アクセスしやすく、沓掛山・星生山あたりでも十分に紅葉を楽しめます。長者原(ちょうじゃばる)のタデ原湿原では草紅葉も見頃を迎え、湿原ハイキングと山岳紅葉の両方が楽しめます。九重”夢”大吊橋との組み合わせも人気です。
まとめ
今回は10月に見頃を迎える紅葉名所を、北海道から九州まで15か所ご紹介しました。北海道・東北・標高の高い山岳エリアでは10月上旬〜中旬が見頃のピークとなり、関東・中部の高原エリアでは10月中旬〜下旬ごろ、四国・九州の山岳地帯でも10月下旬に見頃を迎えるスポットが点在しています。
11月の紅葉シーズン本番と比べると人出が少なく、澄んだ秋晴れの中でゆったりと絶景を楽しめるのが10月観賞の最大の魅力です。標高が高いエリアほど気温が低く、急な天候変化にも備えが必要ですので、レイヤリングできる服装と雨具は必ず準備して出かけてください。今年の秋は少し早めに動いて、日本の紅葉の美しさをたっぷり堪能してみてはいかがでしょうか。








