日本一面積の大きい湖として名の知れた琵琶湖ですが、琵琶湖周辺にはたくさんの観光スポットが点在しています。歴史を感じたり、美しい自然に浸ったりと、楽しみ方はさまざまです。この記事では代表的なスポットを紹介していきます。
メタセコイア並木道
滋賀県高島市にあるメタセコイア並木道は、直線の道の両端に500本ものメタセコイアの木が立ち並ぶ印象的な場所です。秋には葉がオレンジに色付き、もみじやイチョウの紅葉とはひと味違った紅葉が楽しめます。紅葉の見頃は例年11月下旬から12月上旬ですが、観光客も多くなるので、あえて初夏の新緑の時期に行くのもおすすめです。いずれにしても訪れる時間は車や人の少ない早朝が良いでしょう。
海津大崎
海津大崎は琵琶湖最北端にある岬です。桜の名所として知られており、琵琶湖岸に沿って桜並木が約4km続きます。桜はソメイヨシノで、例年の見頃は近畿地方では遅めの4月上旬です。京都市内よりも1週間程度遅くなることが多いです。
メタセコイア並木から車で10分の距離にありますが、海津大崎には駐車場がなく、車の場合はJRマキノ駅の駐車場に停めることになります。
余呉湖
琵琶湖のすぐ北側に位置する余呉湖は四季の自然豊かな場所として有名です。湖面が穏やかなことから「鏡湖」とも呼ばれている湖です。琵琶湖と比べると小ぶりながらも、サイクリング、ハイキング、ワカサギ釣りなどが楽しめる場所なので、ドライブついでに余呉湖を一周してみると良いでしょう。
長浜城
長浜城は豊臣秀吉が築城した出世城とも呼ばれる琵琶湖畔に立つお城です。再建された天守からは琵琶湖の眺めを一望できるほか、駅の反対側には黒壁スクエアと呼ばれる城下町が広がっており、カフェ巡りをしてみるのもおすすめです。
お城の内部は歴史博物館として公開されており、秀吉らが活躍した戦国時代の中の長浜城の歴史を深く知ることができます。
醒井宿
中山道61番目の宿場町、醒井宿は古代から交通の要所として栄えてきた場所です。豊富な湧水が特徴の宿場町であり、居醒の清水では地元の方々が水を汲みにやってきます。街道沿いを散歩して往時の賑わいに思いを馳せてみましょう。
彦根城
現存天守として国宝に指定されている彦根城は、お堀や石垣含め一帯が当時の姿を留めている貴重なお城です。全国的に見ても保存状態が良いお城であり、多くの観光客が訪れます。桜や紅葉などの季節の彩りを楽しめることに加え、夜には天守のライトアップを見ることができます。回遊式庭園の玄宮園も彦根城の代表的な景観の一つです。
築城は井伊氏によるもので、徳川家康の支援を受けて諸大名が築城に参加する天下普請で行われました。急ピッチで築城を行うため、築城に伴う材料は他のお城のものがそのまま使用されました。天守は大津城から移築されたものです。その後、明治維新の廃条例や戦災も免れ、城郭国宝の第一号に指定され現在に至ります。
多賀大社
多賀大社は、古くから「お多賀さん」の名で親しまれている、滋賀県を代表する神社です。日本最古の書物「古事記」にも登場する歴史のある由緒正しき神社です。「お伊勢参ればお多賀へ参れ」と歌いはやされながら、古より多くの参拝客が訪れていたようです。
湖東三山
湖東三山とは、滋賀県の湖東地域にある「西明寺」「金剛輪寺」「百済寺」の三つの天台宗寺院の総称であり、琵琶湖の東側に位置しています。初夏の新緑や秋の紅葉シーズンには多くの観光客が訪れる場所です。3つの寺それぞれの良さがあるので、違いを感じながら巡ってみてください。
写真は聖徳太子が開基したとされる百済寺(ひゃくさいじ)です。
安土城
織田信長の城として知られる安土城は、当時は金、朱、黒などで豪華絢爛に装飾されたお城でしたが、現在は天主台や石垣を残すのみとなっています。石垣を登った先には、天主台跡があり、当時の様子を窺い知ることができます。天主台からは琵琶湖を展望することもでき、眺めは抜群です。ただし長さ180mの険しい石垣を歩いて上がっていくことになりますので、体力と相談しながら訪れてみてください。
ちなみに、通常は天守台と書きますが、安土城に限っては天主台と表記します。
八幡堀
八幡山の麓に古い街並みが広がる八幡堀は、近江八幡の中心観光地として、多くの観光客が訪れる場所です。安土桃山時代に豊臣秀次が八幡山城を築いたのが町の始まりで、江戸時代に琵琶湖の水を引いて物資を運搬するために掘削されたのがこの八幡堀です。
ドラマや映画の撮影ロケ地にも度々使われる美しい街並みは一軒の価値があります。お堀から町並みを眺めることができる屋形船や、ロープウェイ、クラブハリエとセットで観光しましょう。
石山寺
石山寺は滋賀県大津市にある真言宗の寺で、朝廷貴族からの信仰があつく、藤原道綱母が書いた『蜻蛉日記』など、多くの古典文学にも登場します。藤原道綱母の行程は、自宅のある都を出て、鴨川を通過し、逢坂関を越え、琵琶湖の打出の浜から船に乗って石山寺を目指したとされています。
『源氏物語』の作者、紫式部も石山寺を訪れ、物語の構想を練ったと言われれています。
三井寺(園城寺)
平安に書かれた日本古典文学で、何も注釈を付けず「寺」と記されていれば、この三井寺を指すと呼ばれるほど、古来から信仰を集めていたこの寺は近江地域を代表する観光映画スポットです。映画『るろうに剣心』のロケ地としても使われるほど、歴史を感じさせる建造物が多く残っています。境内最南部にある展望台から境内を眺めると、遠くに琵琶湖を望みながら、あたりの景色を一望することができます。
近江神宮
天智天皇を主祭神とする近江神宮は、かるたの聖地として知られている神社です。「ちはやふる」に登場する神社でもあり、毎年多くの観光客が訪れています。境内のいたるところに歌碑が建てられており、好みの歌を探し歩くだけでも楽しい場所です。
比叡山延暦寺
延暦寺は、京都市と大津市にまたがる天台宗総本山であり、比叡山全域が延暦寺の境内となっています、。厳かな雰囲気漂うこの延暦寺、山の上に宗教都市が広がる様子は見事です。アクセスは、自家用車で通れる有料道路ほか、ロープウェイやケーブルカーなどを利用することができます。比叡山は冬場、雪雲の通り道になることが多く、雪深い場所としても知られています。冬場は特に、十分注意して参拝しましょう。