フランスに本部を置く非政府組織によって、1997年に「世界で最も美しい湾クラブ」が設立されました。世界中の名だたる湾がこのクラブに加盟しており、湾の自然環境を守ることはもちろん、湾を活用した産業の発展や観光促進なども目的にして活動しています。25の国と45の湾から構成されており、日本国内でも5つの湾がこの「世界で最も美しい湾クラブ」に認定されています。今回はそんな世界的に認められた日本の湾5つを順に紹介していきます。見どころや観光情報も併せて載せていますのでぜひご覧ください。
松島湾
宮城県の東海岸沿いに位置する松島湾は、古来より風光明媚な場所として知られていました。松島湾は、松島丘陵が沈降してできた典型的な溺れ谷の地形となっており、湾内には多数の島々が浮かんでいます。その美しさから松島は日本三景にも指定されており、現代に至っても多くの観光客が訪れています。高台から見下ろす展望スポットも点在しており、松島湾の美しさを様々な角度から堪能することができます。
この松島湾は「世界で最も美しい湾クラブ」に認定された国内初事例であり、世界に誇れる湾としての称号を得たことになります。
富山湾
富山県北部を取り囲む富山湾は、急峻な地形が特徴的です。3000m級の標高を誇る立山連邦が、この富山湾沿岸で急激に標高を下げ、そのまま海底に落ち込んでいるため、海岸沿いに浅い地形はほとんどありません。海底地形も非常に険しく、富山湾は最大で水深1000mにもなります。この標高差4000mこそが富山湾の大きな特徴であり、それ故の景色の美しさが魅力的な場所です。
春先になると、立山連邦の雪解け水が富山湾にそのまま注ぐことになるため、栄養豊富で非常に冷たい水が富山湾の奥底に流れ込みます。そのため、獲れる魚の種類が非常に多いことが特筆されており、「天然のいけす」と呼ばれることもあります。特に、富山湾のブリ・ホタルイカ・白エビは富山県を代表する海産物として知られています。夏になると、蜃気楼と呼ばれる自然現象が起きやすい場所としても有名であることなど、さまざまな楽しみ方ができる場所です。
駿河湾
プレートの沈み込みによりできた駿河湾は日本一深い湾であり、その深さは最も深い地点で水深2500mにもなります。日本一の標高を誇る富士山との対比はダイナミックで美しさを感じます。湾の面積自体もとても広く、東は石廊崎、西は御前崎を結んだ線の北側を駿河湾と定義されることが多いです。
駿河湾の西側に位置する伊東地域はリアス海岸の地形が特徴的で、駿河湾越しに富士山を望ことができる場所として有名です。また清水港と西伊豆土肥港を結ぶ駿河湾フェリーも運航されており、駿河湾上を車で行き来することもできます。
南向きに湾を開けていることから、温暖な黒潮にのってやってきた南の魚たちが多く生息しています。釣りを始め、ダイビングやシュノーケリングスポットしても知られており、夏場には多くの人が訪れる場所でもあります。
宮津湾・伊根湾
古くから歌枕の地としても親しまれてきた天橋立は、今でも日本三景の場所の1つとして多くの観光客が訪れます。天橋立は、「天に架かる橋」という意味であり、その名の通り、細長い砂州が架かったような形状をしています。約3.6キロメートルにわたる砂州であり、一辺が海に面し、もう一辺が宮津湾に面しています。砂州は松林に覆われており、四季折々の風景が楽しめます。また砂州の上には、遊歩道が整備されており、歩いて渡ることができます。
天橋立の最も有名な撮影スポットは、砂州の突端にある展望台です。展望台は北端と南端にそれぞれ1箇所ずつありますが、特に有名なのは南端にある天橋立ビューランドからの景色です。展望台へは、リフトもしくはモノレールで上がることができます。展望台からは、美しい海と松林が広がり、パノラマビューを楽しむことができます。股のぞき台からは、天に舞い上がる龍のように見える、通称『飛龍観』を体験することができます。
また、天橋立周辺には、観光施設や飲食店も充実しています。地元の海の幸を味わったり、土産物店で特産品を買ったりすることもできます。駐車場は周辺にいくつかありますが、混雑していることが多いです。少し遠くなってしまいますが、市営駐車場が広大な敷地がありオススメです。
九十九島
西海国立公園の中核をなす九十九島は、佐世保から平戸にかけて200以上もの島々が点在する風光明媚なビュースポットです。その美しい景観は周辺の様々な展望所から眺めることができますが、場所や季節、時間帯によって印象が大きく変わります。
九十九島は全部で208島ありますが、黒島・高島・前島・鼕泊島(とうどまりじま)の4島の他は無人島です。九十九島を眺めるスポットはいくつかあるので、ぜひ👇の記事も参考にしてください。